ブロックチェーン革命 2017 4 16

書名 仮想通貨で銀行が消える日
著者 真壁 昭夫  祥伝社新書

 仮想通貨とも暗号通貨とも言われるビットコインを支える技術である、
ブロックチェーンに関しては、この本が、一番わかりやすいかもしれません。
 さて、この本によると、
ブロックチェーン技術の特筆すべき点については、
「自動契約の連鎖」ということが書いてあります。
 コンピューター社会の現代においても、
いざ契約するとなると、契約書を印刷して、それにサインをする。
日本で言えば、契約書にハンコを押す必要があります。
(サインをする前には、社内では、決裁ラインが非常に長い)
これでは、ここで速度が落ちてしまい、大きく生産性が低下してしまいます。
 ここで、ブロックチェーン技術を使えば、
さらに、AI技術も導入すれば、
コンピューター同士による契約、
そして、その契約の「連鎖」が可能ではないかということです。
 ところで、日本では、欧米に比べると、
ビットコインのような仮想通貨の普及が遅れていますが、
東京オリンピックまでには、仮想通貨を広く普及させる必要があるでしょう。
 なぜかというと、オリンピックでは、多くの外国人が来日します。
外国へ旅行した時に、不便に感じるのは、現地の通貨に両替することでしょう。
両替するのが面倒と感じる上に、両替の手数料が高い。
 そこで、ビットコインを利用したくなるでしょう。
なぜならば、ビットコインは、「世界共通の通貨」だからです。
 たとえば、アメリカ人が、浅草で、抹茶のアイスクリームを食べたくなったとします。
抹茶のアイスクリームが、300円と表示されていたとすると、
事前にドルを円の小銭に両替しておく必要があります。
 しかし、抹茶のアイスクリームの値段が、
ビットコイン表示で、0.002BTCと表示されていれば、
スマートフォンに入っているビットコイン財布(ウォレット)で払えばよいのです。
 さて、日本で、仮想通貨が普及しないのは、
多くの人が、「仮想通貨は、得体の知れないもの」と考えているからでしょう。
 そうであるならば、日本最大の銀行である三菱東京UFJ銀行が、
仮想通貨(MUFGコイン)を発行すればよいのです。
 ただし、そうなると、現行の通貨(日本銀行券)は、衰退していきます。
なぜかというと、現行の通貨は、何をするにも、手数料がかかり、
その上、手数料が高い。
 それに比べれば、MUFGコインは、
ブロックチェーン技術を使っているので、
手数料が極めて安いものとなります。
普及のために、手数料をゼロにしてもよいでしょう。
やがて、企業は、争うように、日本銀行券よりもMUFGコインを使うようになるでしょう。
 そうなると、対抗上、中央銀行である日本銀行も、仮想通貨を発行するかもしれません。
つまり、中央銀行と民間銀行が、生き残りをかけて、仮想通貨を発行するのです。
 こうしてみると、ブロックチェーン技術は、
社会に与える影響が大きいので、「産業革命」に匹敵するでしょう。
 ただし、今度の「産業革命」は、派手なものではなく、
いつの間にか普及していきますので、「静かな革命」と言えるでしょう。




















































































































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